透析は辛く苦しいというイメージ
私には以前から透析治療をされている知り合いが何名かいました。生活の制限や治療の辛さといった情報は自然と耳に入ってくることが多く、以前からなんとなく透析に対するイメージは持っておりました。私が透析を導入した時はまだ60代でして、比較的若く体力もあったので透析後に動けなくなることはほぼありませんでした。しかし同室にいる他の患者さん方は、やはりぐったりとしていらっしゃる方が多かったですね。
患者さんの姿を見て
かもめクリニックへ転院を決意
透析導入からしばらくして、当時いた総合病院から他の病院に移動しなければならなくなりました。私自身も透析患者になってからは、透析に関する学術論文を読んだり、インターネットで情報を集めたりして必死に勉強してきたので、それなりに知識はあるつもりでした。そんな時に、当時の主治医だった先生が、金田先生の論文を見せてくれたんです。そこには「8時間しっかり透析をして、食事も健康な家族と同じものを食べる」といった、私がそれまで見たことのない透析治療が書かれており、「こんな透析治療があるの?」と驚きました。そして興味が湧いてきて見学を申し込みました。そうすると「食事の時間に来てください」と、お返事を頂きました。そこで私が見たかもめクリニックの患者さんたちは、とても元気でしっかりとご飯を食べており、私がいままで見てきた透析患者の方とは全く違った印象でした。その様子を目の当たりにして、ぜひ私もここで透析治療を受けたいと思ったのです。
苦しかった制限から解放された生活
かもめクリニックに転院してから改めて分かったことは、ここの透析治療には「食事制限」「水分制限」「塩分制限」がないということです。これがどんなに素晴らしいことか、健康な方はなかなか理解できないと思うのですが、これほど苦しいことはありません。特に食事制限は患者本人だけではなく、食事を作る家族も辛いものです。食事のボリュームを細かく量ったり、細かなカロリー計算をしたりと色々と大変です。ですので制限のない生活とは、患者本人だけではなく、その家族の負担も軽減することになります。
家族と同じ食事を食べられる幸せ
最近ではよく妻と外食に行きます。「今日は外に食べに行きましょうよ」なんて言われましてね。それに孫たちにせがまれて、外食に行くことも多いです。特に最近では回転寿司にはまったらしく、よく連れていかされます。そのように家族と同じものを食べられるからことも、8時間透析と自由食のおかげですね。
自分の過ごし方を見つけることが大事
8時間との付き合い方
8時間という時間は、とても長いものだと皆さん思っていることだと思います。私は主に透析中はパソコンで腎友会の会報を作ったり、インターネットで色々な記事を閲覧したりして過ごしています。そうするとそれほど長く感じたり、退屈だと思うことはありません。ただ、食事後はどうしても眠たくなってしまうで注意が必要です。ここで長く寝てしまうと、夜に眠れなくなってしまうので気をつけるようにしています。8時間という時間を長いと思うかどうか。それは自分で時間の使い方を考えて過ごさないと、人によっては長く感じるかもしれませんね。
心臓への負担を軽減
8時間透析という治療法
腎友会の関係で、水戸で開催される県の会議に良く出席するのですが、そこに集まった多くの方は8時間透析は大変だと思っていらっしゃいます。どうやら透析の時間が増えるだけ、苦しさが増えると思っているようです。なぜそう思うのか。それはきちんと調べて知識を得ていないからだと私は思います。例えば8時間透析では、心臓にかかる負担を少なくすることができます。具体的に例としては、私は短い時間で透析していた頃は血流量250mlで回していたのですが、今は130mlで回しています。そうすると身体への負担感も全然違ってきます。これ以外にも、8時間透析には良いところが沢山あります。しかし言葉で説明しても、なかなか伝わらないというのが実情です。やはり私が転院の際に見学にきたように、実際に見て経験してみることが一番だと感じました。
良い透析治療を知るために
透析治療について勉強したり、常日頃から情報を集めたりすることは、自分の命を守るためにも大切だと私は考えております。なぜなら自分自身に知識がなければ、良い治療法があったとしても、それを良い治療だと判断できないからです。ある程度の知識がないと、8時間透析は負担が少ないだとか、食事制限や水分制限がないと言われても、以前の私のように意味が分からないでしょうからね。まあ、繰り返しになりますが、実際にかもめクリニックへ来て我々を見てくれれば、すぐに分かっていただけると思います。