私はかもめクリニックに入職する以前は、主に急性期の看護を経験してきました。
透析看護は急性期と異なり患者さまの人生に寄り添い、
長く関わる看護ですから、患者さまと打ち解けて、
素直な気持ちを伝え合える関係性をつくることが大事だと思っています。
かもめクリニックの治療方針は「しっかり食べてその分しっかり透析する」というものです。患者さまにとって、透析治療は心身ともに大変なご負担のはずです。そのなかで私たちが患者さまのためにできることは、透析以外の時間を元気に過ごせるようにすることだと考えています。そのためにも、まずはしっかり食べて体力をつけ、その分しっかり透析をできる環境づくりを心がけております。
かもめクリニックは長時間透析を積極的に取り入れています。たった1回の 透析時間を1~2時間延ばすだけじゃないかと感じるかもしれません。しか し、週3回、月12回、年間数十回といったふうに長期的な視点から見ると、違 いが現れてるのではないかと思います。低血流量で長時間透析をすること で、患者さまの症状が好転すると当クリニックは確信しています。 患者さまによっては、8時間の透析時間を捻出できないという方もいらっし ゃいます。ただ、透析後に辛くて動けない時間が1時間でもあるならば、ぜひ その時間を透析にまわしていただきたい。辛くて動けない時間を、楽しく健 康的に過ごす時間に置き換えていくことが、当クリニックの方針です。
一般的に透析治療は食事制限・水分制限がとても厳しいのですが、かもめクリニックでは食事をある程度自由に摂っていただいています。「体重が増えても構いません。そのかわり、透析もしっかり長時間やりますよ」という風に、なるべく制限を与えず、口うるさく注意することがないようにしています。「どんどん食べてください。食べた分は時間をかけてしっかり透析しましょう」とういうのが、かもめクリニックの治療方針です。患者さまも様々な制限のストレスから解放され、どことなく穏やかな雰囲気に変わる方も多いです。
透析看護は患者さまの人生に長く関わる看護です。その透析看護で、最も大事なのは信頼関係だと思っています。
1日おきに患者様とお会いする中で、ともすれば患者さまの「変わりないです」の一言で終わってしまう場面もあります。
しかし、普段との表情の違いや、患者さまが抱えている状況などを知っていれば、
そこから一歩踏み込んで、助けになることも可能なはずです。
そのためにも、患者さまと打ち解けて素直な気持ちを伝え合える関係性をつくることが大事だと思っています。
患者さまの声に耳を傾け、話をよく聞き、どう思っていらっしゃるのか、どうしたいのか、
常に患者さまのお気持ちを一番に気にかけるように、看護部全員で心がけています。
看護部長 大平